フリーランスが申告していなかったり、申告していても売上の一部が抜けていたりすると、税務署から「お尋ね」や「呼び出し」があります。これは、あなたに売上があったことを税務署が何らかの方法で知ったためです。税務署はどうやって情報をつかむことができたのでしょうか?
受け取った報酬額は「支払調書」で把握される
フリーランスに対して報酬を支払った会社は、支払先の名前や住所、金額、源泉徴収税額などの情報を税務署に提出しなければなりません。これを「支払調書」と呼び、毎年1月末までに前年に支払った合計額を報告します。
確定申告前に取引先から源泉徴収税額を記載した「支払調書」をもらって、それを元に確定申告の計算をしますよね。実は、それと同じ書類が税務署にも送られているのです。
つまり、税務署は、会社から提出された支払調書と、フリーランスが提出した確定申告書を付き合わせることで、無申告や申告もれを見つけ出すことが可能になります。
取引先への「税務調査」をきっかけにバレる
税務調査でバレると言っても、あなたへの税務調査ではなく、取引先に対する税務調査です。
脱税の定番手法として架空の外注費があるため、税務調査ではその取引が実際に行われたかを確認することがあります。その会社の取引先の中にあなたの名前があった場合、もしあなたが正しく申告をしていなければとても面倒なことになりますね。調査中の会社が架空外注費を計上しているのか、外注先のあなたの申告もれなのか、徹底的に調べられます。こうなると、無申告や申告もれが見つかるだけでなく、取引先に迷惑をかけることにもなりかねません。
また、税務調査の中で「取引先の資料を提供してほしい」と、本来の調査以外のところで協力を求められることもありました。おそらく資料を持ち帰って、その取引先がきちんと申告しているかをチェックするものと思います。
「タレコミ」を元に調査が始まる
国税庁のウェブサイトには、匿名でタレコミができるページがあります。自分の名前を明かさないまま、どこの誰が不正をはたらいているのか通報できます。当然、具体的で信頼できそうな情報が寄せられれば、税務署は調査を開始することでしょう。人の恨みは買わないようにしたいものです。
「調査官の目」がどこで光っているか分からない
税務署の調査官は、税務調査の場面だけでなく、つねに不正がないか目を配る習性があるようです。たとえば、街中で看板を見つけたら、その店がきちんと申告をしているのか気になるらしいです。飲みに行ったときは、その店がどんなレジを使っているのか観察してしまうらしいです。席数や回転率、客単価から一日の売上はこれくらいだろうと計算してしまうらしいです。あなたのウェブサイトやSNSも調査官が見ているかもしれません。
これは真偽不明なのですが、調査官がつかんだ情報は国税総合管理システム(KSKシステム)に入力され、税務署内で共有されるという噂を聞きます。これが税務調査に活用されるのかもしれません。
無申告や申告もれ、5年間逃げ切れるのか?
申告期限から5年以上たった税金については、たとえ後から不正がみつかったとしても税務署は手出しできません(時効のようなものです)。だったら、無申告や申告もれは税務署に気付かれることなく5年間逃げ切ることができればOK! と思うかもしれません。
3~4年たっているからもう大丈夫だろう!なんて考えは危険です。税務署が無申告や申告もれの証拠をつかんでいる場合、あえて納税者を泳がせておくこともあるようです。5年の期限内であればさかのぼって課税できるから、泳がせておいた方が追加でとれる税金が増えますし。
現金の売上なら少々はごまかしても分かるはずがない!と思うかもしれません。そんな方はこちらの記事をぜひご覧下さい。
もちろん税務署に気付かれずに逃げ得になるかもしれないですが、「いつ税務署がやってくるか」とずっと不安なままいるのも精神衛生上良くないと思います。もし無申告のまま放置しているとか、後で申告もれに気付いたというときは、私たち税理士にご相談ください!
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