法人の銀行口座を選ぶときの注意点です。
あまり入出金が多くないマイクロ法人に最適な口座の選び方を見ていきます。
取引先がたくさんあるような法人だと事情がちょっと違ってくるかもしれません。
法人口座のこんなところをチェック
- 手数料は必要か?
- 法人向け口座だと口座を持っているだけで口座維持手数料がかかることがあります。口座維持手数料は無料であっても、ネットサービスの利用に料金が必要になることも。また、振込手数料が個人の場合に比べて高いことが多いです。
- 社会保険料の口座振替はできるか?
- 社会保険料(健康保険、厚生年金)は毎月納付する必要があります。しかも、20日過ぎに納付書が送られてきて、その月末までに納付しなければなりません。保険料を口座振替で納付するように手続きしておけば楽なのですが、多くのネット銀行は社会保険料の口座振替に対応していません。
- ダイレクト納付は利用できるか?
- ダイレクト納付とは、各種税金を銀行口座から振替で支払うものです。たとえば、e-Taxで源泉所得税の徴収高計算書(納付書)を作成すると、そこに記入した金額が口座から振り替えられるように指定できます。税理士に源泉所得税の計算を依頼されている場合、税理士の方でe-Taxに必要事項を入力しますので、納税者はいっさい納付の手間がかかりません(ただし、口座の残高が不足しないようにチェックだけはお願いします)。とても便利なダイレクト納付ですが、多くのネット銀行で利用することができません。
- ペイジーは対応しているか?
- ペイジーとは、納付書や請求書に記入されている番号を入力すれば支払ができるというもの。e-Taxで各種税金の申告をすると、ペイジーの番号が発行されます。そして、ネットバンキングでその番号を入力すれば、納税が完了します。わざわざ銀行や郵便局の窓口まで行って税金の支払いをする必要はありません。ペイジーについても一部のネット銀行は未対応です。
- 入金口座として指定できるか?
- ここまで税金や社会保険料の支払いについて見てきましたが、受け取りも制限されることがあります。税金の還付金、公庫の借入金の入金先として、一部のネット銀行は指定することができません。
- クラウド会計と連携できるか?
- クラウド会計(freeeやマネーフォワードなど)と銀行のネットサービスを連携させると、銀行口座の取引明細を会計ソフトに取り込むことができます。クラウド会計はすべての銀行に対応しているわけではなく、クラウド会計ごとに連携できる銀行の数に違いがあります。
- ネットサービスの使い勝手は?
- 個人向けのネットサービスならIDとパスワードを入力するだけで利用できるのが普通です。しかし、法人向けはセキュリティを重視して、あらかじめ指定しておいたパソコンでしか明細確認や振込などの手続きができないところもあります。そうした、銀行であればクラウド会計との連携も手間がかかります。
マイクロ法人におすすめ銀行口座
三井住友銀行
法人口座のネットサービスには複数のプランがありますが、マイクロ法人であれば「ライト」プランで十分です。初期費用も月額費用も不要です。
社会保険料の口座振替、ダイレクト納付、ペイジーのすべてが利用できます。ただし、審査が厳しくて口座が作るのが難しく、さらに口座開設まで時間がかかるのが難点です。
口座維持手数料 | ○(無料) | ペイジー | ○ |
社会保険料の口座振替 | ○ | 公金の入金口座 | ○ |
ダイレクト納付 | ○ | クラウド会計 | ○ |
EBサービス Web21 プラン機能料金比較一覧 : 三井住友銀行
Web21のプラン機能料金比較一覧についてのページです。
PayPay銀行
法人口座でも初期費用や月額費用が不要で、振込手数料も比較的安いです。メガバンクに比べると口座は作りやすいのも特徴です。
社会保険料の口座振替とダイレクト納付には対応していません。しかし、ペイジーには対応しているので、社会保険料や税金の納付にはペイジーを利用します。社会保険料は毎月納付なのが面倒ですが、そこはガマンするしかありません。
ビジネスでのご利用(法人・個人事業主のお客さま) - PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
PayPay銀行の法人口座は最短3日、個人事業主口座は最短当日で開設可能。振込手数料は他行宛160円(消費税含む)。ネット完結型ビジネスローンなど、サービスも充実しています。
口座維持手数料 | ○(無料) | ペイジー | ○ |
社会保険料の口座振替 | × | 公金の入金口座 | △ |
ダイレクト納付 | × | クラウド会計 | ○ |
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